構造設計も佳境に入り、構造V/Eの検討と構造再計算の打ち合わせを行いました。左の画像は構造設計の過程で制作していった架構モデルです。
この敷地では擁壁の周囲で地耐力が不足し、セメントソイル方式での地盤改良を予定しています。通常、木造住宅規模ですとこの地盤改良と基礎を切り離して設計することがほとんどですが、鉄筋の高騰が著しい昨今、必要以上に基礎に余力を持たせるのは、とてももったいないお話です。今回はこの余力の部分がかなりのコストアップ要因となっていました。
鉄筋の値段が数年前の倍以上になっているようで、40万円ですんだものが80万円超になるわけですから、少々の設計費用をかけてでもVE検討する価値は充分にあります。基礎工事の手間も省けますし。
当初は基礎を頑丈に造って、地盤改良を軽減できないものかと考えてましたが、この方法ですとどうしても鉄筋、コンクリートとも量が多くなります。そこで考え方を変えて、地盤改良を全面的に採用し、基礎の立ち上がり(基礎梁)部分を現状より補強、ベース部分はシングル配筋にするなど軽減して再計算することにしました。
改良体があるので、砕石も薄くします。コンクリート量はさほど軽減できませんが、砕石、鉄筋量はかなり軽減できそうです。木造住宅の構造設計を侮る無かれ!
V/E:ヴァリュー・エンジニアリング:
機能を下げないでコストを調整したりすること。
掲載日:2008.10.26