ゲリラ豪雨と基礎コンクリート打設

今年も雨の季節が近づいてきました。

宿命とは言え、建築屋は毎年長雨やゲリラ豪雨、台風に泣かされます。

近年は「観測史上初!」という天候が珍しくありませんね。

 

 

コンクリートの打設は、降雨が予想される時には行わないのが原則ですが、ゲリラ豪雨となるとその名の通り予想が難しく、打設中や打設直後にゲリラ豪雨に見舞われたら悲惨です。シート等である程度回避できたとしても補修は避けられず、最悪の場合は基礎を撤去して全面やり直しです(昔、経験あり)。

 

 

ですので、私が施工管理を担当する現場では、ゲリラ豪雨警戒の予報が出ている時は晴れていても打設を行わないことにしています。

とは言え、天気予報は当日の朝に変わることも多く、コンクリート工場へのキャンセルにはキャンセル料もかかるため、事前に基礎工事の施工業者さんや建築主と打合せが必要です。

誰がいつの時点で判断するか(責任が生じるのでたいてい私)、またキャンセル料についてはリスク調整費から支出することも建築主に同意を得ておきます。

 

大手ハウスメーカーさんや工務店さんの現場を時々拝見しますが、新築時の配筋検査は第三者が入り、割とキチンと行われていても、コンクリートの品質については工場からの納品書のチェックだけで終わり、あとは下請けの施工業者さんにお任せが多いようです。

ゲリラ豪雨対策についても元請の現場監督さんは判断をせず、キャンセル料の負担についての取り決めも無し。

こういう状況の中では、ただでさえ安い請負金額からキャンセル料まで負担していたら赤字必至の施工業者さんとしては、多少のリスクがあっても打設してしまいたくなるのは責められません。

しかし打設時の降雨はタイミングによってはコンクリートの品質を左右します。

予算にも権限のある中立的な工事監理者でもいて止めてくれれば良いですが、設計施工一式体制だったり、下請けの工事監理者ではそれも期待できません。

大手メーカーの監督さんでも、下記の②と③と④を混同して雨は大丈夫と言っていた人もいました。(マジか!?)

  

誰のチェックも入らないこの場面ではお手数でも、建築主が自ら立ち会って、打設時の映像を残す等の対策が必要かと思います。

 

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最後にコンクリート打設時の降雨について整理しておきます。

雨がNGなのは降るタイミングによりますのでご注意下さい。

 

 ①打設前:雨OK。湿潤状態を確保できるので散水不要になり好都合。

 

 ②打設中:雨NG。バイブレーターで雨水をコンクリートに混ぜ込んでしまうのは最悪。

      混ぜ込まなくても、雨でセメントが流れてしまい、コンクリート表面が脆弱に 

      なります。          

 ③打設直後(コンクリートの凝結前):雨NG。②と同じように雨でセメントが流れてしまい 

                   ます。

 ④打設後(コンクリートの凝結後):雨OK。夏場は水分不足にならないように散水養生を

                   行うくらいなので、その手間が省けて好都合。

 

コンクリートは水分が蒸発して硬化するわけではく、水とセメントが化学反応して硬化します。従って水分不足はNGで、急な乾燥や凍結には対策が必要です。

そして強度は水とセメントの比率で決まります。

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#ゲリラ豪雨 #基礎工事 #コンクリート